概要
この本は、人財開発の手法であるコーチングについて、日本のコーチングの第一人者が書いた本です。人財開発の中でのコーチングの位置づけ、コーチの視点・マインド・プロセス・スキル、そして実践例が書かれており、コーチングを網羅的に解説しています。
コーチングという言葉が広まりつつあった2009年に、日本のコーチングの草分けであるコーチ・エィ社が鈴木義幸氏の監修で著作発刊。2019年に出た新刊では、コーチングを組織開発に応用した実例を大幅増強されています。
内容
第1章 コーチングとは何か
コーチングの定義と全体像
コーチングの定義「対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセス」
第2章 コーチのもつべき視点
コーチがクライアントと対峙する際に持つべき3つの視点「Possession」,「Behavior」,「Presence」とは
第3章 コーチングの3原則
コーチが備えるべきマインドである、「双方向」「継続性」「個別対応」とは。
第4章 コーチング・プロセス
コーチングの基本プロセスとして6つのステップが紹介されています。
第5章 コーチングのスキルと実践例
コーチングの現場で使われる7つのコミュニケーションスキルとその実践例が紹介されています。
第6章 組織へのコーチング
コーチングの思想や手法を組織開発に応用したケーススタディが4つ紹介されています。経営幹部がコーチングを受けることの意義や、組織開発への効果など、組織を運営する人にとっての示唆が含まれています。
所感
私は、リーダと呼ばれるようになった頃にコーチングを知り、コーチ・エィ(当時はコーチ・トゥエンティワン)のメルマガを読みつつ、部下に対して試行錯誤を繰り返しながら実施してきました。コーチングを実際にやっていると、対象の相手に働きかけるより前に、コーチングをする自分自身のあり方・考え方も見直さなくてはいけないものだと感じます。コーチングはコーチングをしている人自身の修行でもあるのでしょう。
そういう意味で、コーチをする人が時に上手く行かず悩んだ時、正しいあり方・考え方を示してくれているこの本は、コーチング実践者必須の指南書だと思います。
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