「良い質問」をする技術

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著者は粟津恭一郎氏。
 国際コーチ連盟(ICF) プロフェッショナル認定コーチ
 一般財団法人生涯学習開発財団 認定マスターコーチ

株式会社コーチ・エィ 取締役として、
大企業の経営者や後継者を対象としたエグゼクティブコーチを行っている、いわばエグゼクティブを作る「質問のプロ」です。


相手に気づきや自発的な行動を起こさせる「良い質問」。
これは効能を知っていても、実際にどのような質問をしたらよいのか、部下と面談をする立場の人なら、誰でも悩むのではないでしょうか。

私もその一人です。
ヒントを得るため、コーチングの本は幾つか読んでいますが、なかでもこの本は、まさに「良い質問」に焦点を当てた名著だと思います。


「良い質問」とは何でしょうか。
著者は
『問われた人が、思わず答えたくなる、新しい気づきを与えてくれる』
と定義しています。

1章 質問はなぜ重要なのか?

ここでは「良い質問」の効能が述べられています

・仕事ができる/できないと言うのも、結局のところ、「どれだけ効果的な質問を、自分の中に作り出せているか」で決まる。
・「質問で新しい気づきを得る」とは、人の意識は、質問によってコントロールすることが可能であると言うことを意味している。
・自発的行動を促すのに、最適なのが「良い質問」をすること。

そして、著者自身がコーチングセッションの中で行っているのは、
クライアント自身の中に、
内在化している質問に気づいてもらい、
そこに内在化していない質問を投げかけ、
クライアントの中に、
新たにより価値の高い質問を内在化させる
ということ。
「良い質問をする技術」がそれを可能にするとしています。

第2章 質問は4つに分けられる

ここでは質問を4つに分類し、その中で「良い質問」とは何かを説明しています。

1「軽い質問」(答えたい/気づきがない)とは
 「相手との関係をよくする質問」のこと
効用は
「良い質問」の下地をつくる
「軽い質問」情報収集に使う
そして
 成功体験を聞くと、「軽い質問」になりやすいと述べています

2「悪い質問」(答えたくない/気づきがない)
相手との関係を悪化させ、相手の気づき、行動、成長にもつながらない質問
   否定のメッセージ
  「下心」を伴った質問

3 「重い質問」(答えたくない/気づきがある)
使い方には相手との関係性やタイミング、聞き方への配慮が必要
「重い質問」は他責から自責へと気づきを促す
大きな変化をもたらす、2つの「重い質問」:「未完了」について聞く

4 「良い質問」(答えたい/気づきがある)
「誰にとっても効果の出る良い質問」はない。
「良い質問」の特徴と具体例
「良い質問」は「本質的」であるとし、8つの具体例を挙げています。
例えば
「 本当に手に入れたいものを聞く質問」
「 当たり前と思っていることを疑う質問」
など、すぐに質問が作れるように説明されています

第3章 「良い質問」をするコツ
ここでは、コーチングの現場で「良い質問」を効果的に使いこなすための、具体的な場の作り方や相手とのやり取りについて書かれています。

第4章 「良い質問」の作り方
ここれは相手に適した「良い質問」を作るために、相手の観察法と、そこで得た情報から「良い質問」を作りだす方法を述べています。

おわりに
最後に、「良い質問」はコーチングの相手だけでなく、自分自身や身近な人に対しても有効であると言っています。


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