著者 向後千春氏
早稲田大学人間科学学術院教授。教育学博士。
教育工学、教育心理学の専門家で
「教える」ことに関するスペシャリストです。
私がこの本を手にした目的は、
技術や知見の伝承、
つまり「教えること」をいかに実現するかの
ヒントを得ることでした。
目次
第1章 「教えること」を学ぶ前に知っておきたいこと
第2章 「教える」ってどういうこと?
第3章 押さえておきたい「教える」の基本―運動スキルの教え方
第4章 学ぶ人を納得させる教え方―認知スキルの教え方
第5章 相手に理想的な態度を教えたいときは?―態度スキルの教え方
第6章 教えることであなた自身が成長する
第1章 「教えること」を学ぶ前に知っておきたいこと
この本の序章にあたる部分ですこの本の序章に当たる部分です。
・教える技術は、訓練しなければ身につかない
・「教える場面」は学校だけでなく、どこにでもある
・「教える技術」を学べば、良好な人間関係を築くことができ、社会を明るくする
第2章 「教える」ってどういうこと?
・「教えた」と言える状態とは、相手のできないことができるようになった状態
・「教えたのにできない」のは100%教える人の責任
・教え方が上手になるとコミュニケーション力が上がる
・教えた後のゴールを決める
・変えるのは相手の「心」ではなく「行動」
・「教える」ゴールは「運動スキル」「認知スキル」「態度スキル」の3つに分けられる
第3章 押さえておきたい「教える」の基本―運動スキルの教え方
運動スキルを教えるには「スモールステップ」と「即時フィードバック」。
これに尽きます。
第4章 学ぶ人を納得させる教え方―認知スキルの教え方
「認知スキル」とは頭の使い方、思考方法のことを言います。
これは3つのパターン「記憶する」「問題解決」「話す&書く」に分けられます。
・「記憶するスキル」には「分散学習」、「聴覚型」か「視覚型」かによる教え方の使い分け
・「問題解決スキル」には「解き方のパターン」をたくさん学習&定着させること
・「話す&書くスキル」には「ノートを取る」「小さなステップを踏む」「『型』を教える」
第5章 相手に理想的な態度を教えたいときは?―態度スキルの教え方
「態度スキル」とはさまざまな運動スキルや認知スキルを使おうと決心し、その決心を継続し、いやになったときは軌道修正する、「自分をコントロールするスキル」のことです。
・「態度スキル」はもともと備わっているものではない
・「意志力」は有限。節約するための「習慣化」
・意志力を鍛え習慣化するための3ステップ
・答えは相手の中にある
第6章 教えることであなた自身が成長する
教えることは教わる側を伸ばすだけでなく。正しい教え方を実践することで、自分自身が伸びるのだと言っています。
・教えることは、自分も深く学ぶということ
・教えられる喜び、教える喜びを分かち合おう
「凄い本だ!」というのが、正直な感想です。
「目から鱗が落ちる」とはこのこと。
教えることについて、これほど整理され、
かつ分かり易く書かれた本に初めて出合いました。
「教える」ことが必要になった人には、
是非読んでほしい一冊です。
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