「やっとわかった!」 ~50代 ゆるゆる中国語学習(8)~

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語学を学ぶときに、最初に覚えるものの一つが数字の表現だと思います。

中国語レッスンを受けた時もやはりそうでしたが、
自分にとっては結構なハードルでした。
一番の難関は十(シー)と四(スー)
の発音の聞き分けでした。

ゆっくり言われると分るし、
自分で発声もできるのですが、
普通のスピードで話されると、これが分からない。

数字が分からなくて一番困るのが、
買い物をするときです。
私が住んでいたマンションの近くに、
少し大きな市場がありました。
地元の中国人が買いに行くような、
ローカルな市場です。

大きな1つの屋根の下に、
八百屋やら、果物屋やら、魚屋やら、
多くの店が並んでいました。
八百屋だけでも20店舗位、
平台の小さなお店が並んでいます。
お店はどこもカゴに商品を載せていて、
客は好きなものを好きなだけ選んで、
それを店の人が計量して金額を伝えるという、
昭和の時代には日本でもよく見かけた市場の風景です。

価格が安いので、私はよく使っていたのですが、
いつも行く八百屋さんは決まっていました。
間口が小さい割には品揃えが良く、
50歳前後のおばさんが切り盛りしているお店です。
そのおばさんは、しっかり者であることが
すぐにわかる顔立ちの小柄な人でしたが、
笑顔が人懐っこかったので、
いつもそこで買っていました。

数字の話に戻りますが、先に書いたように、
金額を聞き取らないとお金が正しく払えません。
店のおばさんは、レッスンの先生と違って、
普通のスピードでしゃべるので、
最初のうちはいつも間違った金額を差し出していました。
私が間違うと、おばさんは
「これだと払いすぎだよ(と、多分言っていた)」
と言ってきちんとお金を返してくれました(
この正直さも気に入っていました)。

そうやって、間違って払う情けない状態が
続いたのですが、2ヶ月ほど経った頃でしょうか、
初めて言われた通りの金額を払いました。
「これどうだ!」と差し出したお金を
受け取ったおばさんは、
金額を確認して私の目を見て
「ようやく合ったわね。」と言う顔をして、
お互い顔を見合わせて大笑いをしました。

中国語を学んでいて、嬉しかった思い出の1つです。

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