一口坂は「ひとくちざか」ではない?

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私はよく、靖国通りを市ヶ谷駅から
神田方面に向かって歩くのですが、
途中にいつも気になる道がありました。

市ヶ谷駅から1分ほど、
麹町郵便局の近くの交差点です。
靖国通りは片側2車線の道路ですが、
その道は片側一車線。
市ヶ谷駅から来て右側は上り坂、
左は下りになっていて、
下った先が明るい感じがする道です。
結構車の行き来もあって、
なんとなく興味を持っていたので、
今回ちょっと下ってみたら、
意外な発見がありました。

靖国通りの交差点から坂に入ってすぐに
坂の標識がありました。
坂の名前は「一口坂」
「はぁ、ひとくちざかという坂なのか」
と思いつつ、その標識に書いてある
説明を読んでびっくり。
この坂は、正しくは
「いもあらいざか」
というのだそうです。

その説明には、こうありました。

『現在では「ひとくちざか」と呼ばれていますが、
 本来は「いもあらいざか」
 という名称が正しいと言われています。
 「いもあらい」とは、疱瘡のことを
 「いもがさ」、「へも」と呼びますが、
 疱瘡を洗う(治す)ことを示しています。

 現在は痕跡がありませんが、
 坂の下に放送の治癒に霊験のある
 一口稲荷が祀られていたと言われ、
 それが坂名の由来になりました』

きっと、元は「ひとくちざか」だったのが
このお稲荷さんの霊験に惹かれた人々が
通称で「ひとくちざか」と
呼んでいたのと結びついて、
「一口坂」と書いて
「いもあらいざか」と呼ぶのが
定着したのではないでしょうか。

規定の読み方としてはあり得ませんが、
人々の生活に馴染んだ呼び方も
残そうとしているのは
いいことだと思います。

この「いもあらいざか」の右側には
法政大学の校舎と法科大学院があります。
下り終えたところにはお城の外堀があり、
手前に法政大学の高いビルがありました。
このあたりは法政大学の学生の街なのですね。
長年東京に住んでいて知りませんでした。。

ここで右に折れ、飯田橋まで
お堀沿いにある歩道を歩きました。
よく整備された歩道で、
右にはお堀が見え、
左を走る車道より少し高く、
歩いていて気持ちの良い歩道でした。

 

歴史を感じる「いもあらいざか」、
そして気持ちの良い歩道。
私のウオーキングコースに
あたらしいルートが増えました。

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