部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書
~「プレイング・マネージャー」になってはいけない~
という本を紹介します。
著者は出口治明氏。
ライフネット生命保険 創設者であり、立命館アジア太平洋大学 元学長。
著書は50冊を優に超える発信者です。
私はマネージャーになって長いですが、
もともと自分で仕事を進めてしまう質で、
仕事の任せ方が上手ではないことは自覚していました。
これではいけないと、を読んだり、ネットで調べてそれを実践したり、試行錯誤で任せ方を学んできました。
任せるのは相手がいることなので、
相手によっても任せ方は変わります。
だから今でも試行錯誤は続いています。
そんな私にとっても、この本は
「人に任せる」
「人を活かす」
ことに対して本質的な考え方を示し、
そのうえでどのようにして任せるかを解説した、
指針となっている本です。
はじめに
著者はここでいくつか大切なことを述べています。
「どんな部下も信頼して、仕事を任せる」リーダーの要諦
「性別も、年齢も国籍も垣根を取り払うことが大事」
「多様な人財に任せることでしか、会社は成長しない」
そして、最後にこのように書かれています。
「人をどのように使い」「どのように任せて」「どのように組み合わせて」いけば強いチームとなるか考えるヒントとして読んでいただけると幸いです。
1章 上司になったら、「任せるしくみ」を作りなさい
ここでは、企業は現状よりもっと強くならなくてはいけない、なぜならば、より稼いでいかなければ、現状維持もできないからだ、そのためには「任せる仕組み」作らなくてはいけないとして、「任せる仕組み」で会社が強くなる理由が書かれています。
「任せる仕組み」で会社が強くなる理由
①経営と業務執行の分離が実現する
②ダイバーシティー(多様性)への認識が高まる
③グローバル経済の変化に対応できる
を掲げ、それぞれについて詳しく説明をしています。
2章 デキるリーダーは常に「いい任せ方」をしている
ここでは、具体的な部下への仕事の任せ方について述べられています。
・丸投げせず、「明確な指示」「明確な権限の範囲」を与える
「的確な指示」の4つの条件
①期限を示す
②優先順位を示す
③目的、背景を示す
④レベル(=どこまでやらせるか)を示す
・「的確な指示」は双方のコミュニケーションで成り立つ
・「曖昧さや誤解の余地がない」判断のルールを作ると、部下の迷いが一切なくなる
・部下をよく観察し、タイミングを見計らって声をかける
・仕事を任せる時は、責任も一緒に負わせてみよ!
・相談の乗り方
・原則、相談に乗らない。部下の方がその仕事をよく知っているから。
(ここは私は少し乱暴かなと思いました。
無下に拒否するではなく、
コーチングで、部下本人の力で
答えにたどり着く
手助けをしてあげればよいと。)
・事前に案を考えてから来させる。
・部下のミスには、問答無用で責任を取る。
・部下を忙しくさせるのが、上司の愛情。
(ただし、仕事も与えすぎて、部下を疲弊させてはいけないが)
3章 プレイング・マネージャーになってはいけない
・部下の仕事が60点なら合格点を与えなければならない
・「他人に任せられない人」の3つの特徴
①「人間の能力や使える時間は有限である」ことがわかっていない
②部下の仕事が60点では納得できない
③判断のスピードが遅い
・部下を動かす3つの方法
①(自分)を好きにさせる
②圧倒的な能力の違いを見せる
③必死に働いている姿を見せる
・万能な人財など存在しない
・攻めが得意な人は攻めを、守りが得意な人は守りを極めれば良い
・仕事を任せるときは「得意なことを任せる」
・苦手は克服しなくていい。得意なものを伸ばしていく
・人財配置は
①部下の適正
②周囲の状況
の2つから判断する。
マネージャーは①、②を見極める「洞察力」を高めなくてはいけない。
・人間の2つの特性「鉄タイプ」「瓦タイプ」で育て方を変える
4章 この上司力でチームの実力を一気に上げる
・「自分の頭の中にはない音符」を持った人たちに仕事を任せる
・リーダーは感情を出しすぎてはいけない
・どんな部下でも「信頼したほうが得」
・リクルートは「現場のチーム」に任せる
・社内を早く、大きく活性化したいなら「自分と正反対な人」「社内にいないタイプの人」「異質な人」を(1人ではなく)「グループ」で採用する
5章 『時間を殖やす』『成果を増やす』人財マネジメント
・「知っている人」を知っている人は、任せ方がうまい
・「餅は餅屋」
・自分の「コアコンピタンス」は残し、それ以外はアウトソーシングする
多くの部下を率いてきた出口氏の言葉は、一つ一つじっくり読み込んで、実践していこうと思うものばかりです。
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