著者 山根 承子氏
株式会社パパラカ研究所代表取締役社長。経済学博士。専門は行動経済学。
この本は
「努力には”意志の力”が必要だ」
という「常識」に疑問を投げかけ、
「”意思の力”に頼らずに努力を続ける」
方法を豊富な実験データをもとに示しています。
私自身、習慣化しようとして、出来ていないこと数多くあります。
できないことの一番は、
「お酒を飲まない日を増やすこと」
これは2週間が限界です(笑)。
私は仕事で飲むことがまずないので、
やろうと思えばできるはずなのですが。
一方で習慣化できいることもいくつかあります。
運動習慣については完全に「毎日のこと」になっていて、
努力をしているという気はあまりありません。
その違いが何だろうという疑問がありました。
本の一つのポイントが第2章『「努力が勝手に続く」4つの仕組み』にあります
(1)フィードバックで変化を自覚させる
フィードバックといえば、会社でよくある
・目標を立て、
・そのパフォーマンスを見える化し
・結果についてフィードバックを得る
というあれですが、
努力の継続への効果については、
「フィードバックの有無が重要なのではなく、
フィードバックの内容を受け止め、
それを目標に反映させることで
パフォーマンスが向上するのです」
と言っています。
つまりフィードバックを受けて、
自分で目標の見直しや再設定ができることが重要
ということです。
(2)フィードフォワードでやりやすくする
「フィードフォワード」つまり、その行動を
「どこで」
「いつ」
「どのように」
行うかを決めることが
”新しい習慣”
を定着するのに有効だと言っています。
ただしこれは
”何かをやめる”
場合にはあまり効果がないとも書かれています
(3)「努力の自動化」怠け心から自分を守る
そもそも「習慣」の定義とは、
「環境という刺激によって
自動的に行動が行われること」
だそうです。
「通勤電車に乗ったら、スマホを見始める」
なんていうのも、それなんでしょう。
逆に言えば、習慣化したいことを
毎日行われていることに紐づけて実行すれば
習慣化しやすいということになります。
また、「何日続ければ習慣化できるか」は
実験結果から
「66日続ければ習慣化できる可能性がある」
としています。
(4)「教育の力」で習慣を変える
「なぜそれが必要なのか」
「どのような効果があるのか」
「どのように行うのか」
「いつ行うのか」
「何を目標にするのか」
をきちんと考えることが自動化につながる。
・・・・・・
この本ではこのほかに
■「努力を楽しむ」ことはできるのか?
・努力を楽しめる人・楽しめない人
・性格タイプ別「ご褒美」の与え方
・努力せずにはいられない!?「目標クリア」という快感
■「ナッジ」で頑張らずに努力並みの結果を得る
■「努力を妨げるもの」との戦い方
・「誘惑」と戦う
・「努力しない言い訳」と戦
などと続きます。
「習慣化したいこと」があるけれど
習慣化できなくて悩んでいる人
「論理的に、習慣化への仕組みを納得して
実行に移してみたい」
という方にお薦めの本です。
補足:パパラカ研究所の仕事はこのようなものだそうです。
・行動経済学・統計学の知見を用いたコンサルティング業務
及びリサーチの企画・設計・分析業務。
・上記に係る教育業務など
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