【図解】小さな会社は経営計画で人を育てなさい!

人づくり、組織づくり

著者 山本 浩二氏
日本人事経営研究所株式会社 代表取締役

社員が自律的に考え、行動する組織を作りたい。そう考える経営者、経営幹部にとって、「人が育つ経営計画」を簡単に作ることができるよう、手法をパターン化して分かり易く解説した本書が役に立ちます。

これは実際に私が経営企画室長として勤める会社で中期経営計画を立てる際に、計画立案にかかわる幹部全員に買ってもらいました。そして、これをもとに計画をまとめ上げました。この本が無ければ自社の計画はまとまらなかったといっても過言ではありません。この本は本当におすすめです。

前半は成長するためには「ビジョン実現型経営計画」の必要性、人を育てる「経営計画」を作る手順、経営計画を具体化する「戦略」の作り方が述べられています。

「ビジョン実現型経営計画」を作ることによって3つの効果が得られると述べられています。

1. 覚悟をもって継続することができ、社長とリーダーの実力を高めることができる
2.「経営計画」にそった日々の運営ができ、計画どおりに会社を成長させることができる
3.「経営計画」に沿った経営が実現できれば、リーダーが変わり、自発的に行動し「勝手に」成長してゆく

続く「経営計画」と「戦略」の作り方は抽象的な説明に終始するのではなく、非常に具体的かつ、すぐに利用できる形で書かれていて、著者が多くの会社に対して実践してきた知見とノウハウが詰まっています。
「戦略」に至っては、「30分でできる!」とタイトルに書いてあります。
実際のところ、自社ではもっとかかりましたが(笑)、この指針に沿って検討したことで、道筋がずれることなく、戦略としてまとまっていきました。

ただ、経営は、計画を立ててそれで終わりではありません。

計画策定は成功までの2割程度のマイルストーンでしかありません。
大変なのはこれを実行し続けることです。この本でもそれについて述べられており、このハードルを越えるための方法についても述べられています。
確かにここが、ビジョン実現に向けた山道の中でも、一番長く、一番険しい箇所であることは、どなたも想像できると思います。
実際、自社も苦戦しています。それでも振り返ってみると、それなりに高いところまでは登ってきていることは確かで、社員のエネルギーのベクトルをまとめる努力をすることが、成果を生みつつあるという実感はあります。

会社のビジョン実現に向け、自律的に動く社員がそれに向かってベクトルを合わせ、会社として成果をあげ、同時に人も成長する。そういう理想的な会社を実現したいと思う経営者、経営幹部の方は、是非一読をお勧めします。

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