新 コーチングが人を活かす

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~ 気持ちと能力を高める最新コミュニケーション技術 ~

最近でこそ「コーチング」という言葉は、一般的になりつつありますが、いまだにその中身を誤解している方も少なからずいます。
「コーチング」とは「相手の知らないことを先生のように教えること」だと。
しかしそれは「コーチング」ではなく「ティーチング」と呼ばれるもので全く別物です。
この本の序文ではコーチングの進め方について述べられています

「コーチングはあくまでも、問いを2人の間に置き、一緒に探索しながら、相手の発見を促していくと言うアプローチを取ります」

そのように書いているこの本の著者は、日本のコーチングの草分けである、株式会社コーチ・エィ代表取締役社長、エグゼクティブコーチ、鈴木義幸氏。
以前にご紹介した「コーチングの基本」の著者でもあります。

「コーチングの基本」がコーチングの理論的なバックグラウンドや原則について詳しく述べているのに対して、この「コーチングが人を活かす」はより現場で使える実践的なテクニックが書かれています。

この本はもともと2000年に創刊され、版を重ねた後、2020年に大幅改訂されたものが発刊されています。
私はもともと2000年版を持っていたのですが、今回ブログを書くにあたり、2020年版を手に入れ比較してみました。写真右が2020年版です。
2000年版では50項目(スキル)だったものが新版では62スキルに増えています。
各スキルには文章による説明に図解が付き、イメージとしてとらえやすくなりました。
全体として、かなり分かり易い構成に変わっていて、さらに日々の実践に活かせる形になりました。

この本は7つの章(レッスン)と、「本書活用のガイド」からなります。
1. 相手と自分の発見を促す
2. 相手と信頼関係を築く
3. 目標達成に目を向ける
4. 視点.切り口を変える
5. 主体的な行動を促す
6. コーチングの達人に向けて
7. チーム・組織に対話を引き起こす
「こんな場合は、このスキル、本書活用のガイド」

以下、各章の概要です。


1. 相手と自分の発見を促す
・コーチとは
  ”人の主体的な行動をうながせる人”
  ”相手の中にある情報を一緒に探索、発見し、
    未来に向けた原動力に昇華することのできる人”
 と定義しています。
そしてこの章では、
・相手の中の情報に目を向けること
・それがどんなものなのか具体化すること
・それをもとに未来に向けた主体的な行動に昇華することの各プロセスを促す質問を作るヒントが書かれています。

2. 相手と信頼関係を築く

コーチングの効果を出すためには、相手との信頼関係が大事です。
この章では相手の心の鎧を脱がせ、自分と相手のタイプを知ってお互いのいい部分を活かし、可能性を広げる行動と考え方が説明されています。

3. 目標達成に目を向ける
ここで言う目標とは、誰かから与えられた目標の事だけではなく、自分で
「実現したいこと」、「なりたい姿」、「夢」に気づき、目標として具体化し、
その実現に向けて行動し続ける方法を述べています。コーチングとして相手に問いかけるだけでなく、自分自身に向けても役に立つものだと思います。コーチングとして、相手に問いかけるだけでなく、自分自身に向けても役に立つものですものだと思います。

4. 視点.切り口を変える
相手の中に染み込むように話すとき、言いにくいことを伝えるとき、自分の盲点に気づいてもらうとき、状況を広く見通すとき、限界を打ち破るエネルギーを引き出すとき、視野を広げるとき、視点を変えてもらうときに有効なアプローチがこの章に書かれています。

5. 主体的な行動を促す
コーチの最低限の責任は、相手(クライアント)が行動を起こすこと。さらにその先に目標達成があればベスト。
相手のマインドを行動を起こすようなマインドに変える手段が挙げられています

6. コーチングの達人に向けて
コーチングを始めた人が、より腕の立つコーチとなるための方法が述べられています。
その多くはコーチ(自分)自身の在り方に立ち戻った根本的なものとなっています。

7. チーム・組織に対話を引き起こす
組織や立場の壁を越えて、その中では異論反論を許し合う、信頼をもとにした会話がなされ、そこから物事への新たな洞察を得ることができる。そういうチームや組織を作るテクニックを、コーチングの立場から紹介しています。

最後に
「こんな場合は、このスキル、本書活用のガイド」
として、仕事や生活の中で解決、改善したいシチュエーションごとに、
どこに書いてあるスキルを使えばいいか良いかが参照できるようになっています。


今回、さらに分かり易くなった新版を入手し、読んだことで、コーチングをすぐに実践したい、という気持ちが高まった週末でした。

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